ネットいじめの未然防止及び解決に向けた指導と対応( 兵庫県立大学准教授 竹内和雄):校内研修シリーズ№45

NITS独立行政法人教職員支援機構
16 Jan 201922:47

Summary

TLDRこの講義では、竹内和雄氏がネットいじめの未然防止と解決に向けた指導と対応について語りました。スマホの普及により、いじめの形態が変化し、特にLINEを利用したいじめが増加している現状を指摘。子どもたちの間で生じるいじめの質の変化や、加害者と被害者の境界が曖昧になり、傍観者が仲裁者となることの重要性を説きます。また、教師が子どもたちと共に問題解決に取り組む必要性と、新しい文化作りへの取り組み方についても触れています。

Takeaways

  • 📱 スマートホンの普及により、子どもたちに対するいじめの形態が変化している。
  • 📈 ネットいじめの発生件数は、5年で倍増しているという文部科学省の調査結果が示されている。
  • 🔑 スマートホンは、いじめを直接的に行うだけでなく、いじめグループの統制手段や方針決定に関わる重要な役割を果たしている。
  • 👥 いじめっ子のイメージが変わり、信頼される子どもたちがLINEを駆使していじめの中心に立っている。
  • 🔄 いじめのターゲットが迅速に変わる中、子どもたちは緊張感の中で日々を過ごしている。
  • 🚫 いじめを止めることで、子どもたち自身が被害者になる可能性があるという彼らの懸念。
  • 👀 傍観者がいじめに与える影響は大きい。質の高い傍観者や仲裁者を育成することが重要だ。
  • 🤔 子供たちは、いじめを止めることの難しさと、大人や教師への相談の難しさを実感している。
  • 🏫 教育者たちは、いじめに対する単純な禁止ではなく、子どもたちと共に問題解決に向けた具体的な対策を考えねばならない。
  • 🛑 ネットやLINEを全面的に禁止するのではなく、子どもたちにネットと賢く付き合う方法を教えることが求められている。
  • 🌟 子どもたちと共に新しい文化作りを進め、スマホの使い方に対するルールや指導法を創出していく必要がある。

Q & A

  • 竹内和雄先生はどのようなテーマで講義を行っていますか?

    -竹内和雄先生は「ネットいじめの未然防止、及び解決に向けた指導と対応」というテーマで講義を行っています。

  • 最近のスマホの普及率はどのくらいですか?

    -最近の調査では、中学生のおよそ8割がスマホを持っており、小学校の高学年でも過半数が持っています。

  • ネットいじめの件数はどう変わっていますか?

    -文部科学省の問題行動調査によると、平成24年には7855件だったネットいじめが、5年後の平成29年には倍増しています。

  • いじめの質はどのように変化していますか?

    -昔は快楽的動機いじめが多かったが、最近は教育的動機いじめが増え、いじめを正しそうに装う子どもが増えています。

  • いじめっ子が変わっているとはどういう意味ですか?

    -いじめっ子が変わっているということは、子どもたちが信頼しているキャラクタータイプが変わっており、LINEを駆使していじめの頂点に立つ子どもが増えていることを指しています。

  • 花子ちゃんの事例は何を示していますか?

    -花子ちゃんの事例は、LINEグループ内で起こった小さなミスが、彼女をクラスのリーダーによって無視される原因となり、いじめを経験する可能性があることを示しています。

  • いじめがターゲットを変更するスピードは最近はどのようになっていますか?

    -最近では、いじめがターゲットを変更するスピードが早くなり、2ヶ月から1か月、2週間、さらには1週間でターゲットを変えることが多いです。

  • 子どもたちはなぜ親や教師にいじめを相談しないのですか?

    -子どもたちは親や教師に相談しない理由として、「大人が暴走する」という恐れや、過去の悲しい経験から、「言っても解決にならない」という考えを持っています。

  • 教師がいじめを止めるとき、子どもたちはどのようなことを考えていますか?

    -教師がいじめを止めるとき、子どもたちは「もし自分が止めたら、自分に来るんじゃないか」と考え、いじめが逆に自分に向かって来ることを心配しています。

  • 傍観者がいじめにどのように影響を与える可能性がありますか?

    -傍観者がいじめに対しての態度によって、いじめの状況は変わってくる可能性があり、仲裁者となり解決に貢献する質の高い傍観者を育てることが重要です。

  • 子どもたちはなぜ直接会って話をするのが良いと考えるのですか?

    -子どもたちはLINEでトラブった時にLINEで解決しようとすると、余計に混乱が生じるため、直接会って話をすることでより効果的に問題を解決できると感じています。

  • 教師はなぜ子どもたちに知られていないままいじめの解決策を考えることが重要ですか?

    -教師が子どもたちの間で知られていないままいじめの解決策を考えることが重要であるのは、子どもたちの意見や状況を正確に把握し、より適切な指導を行うためです。

  • スマホやLINEはなぜいじめの増加につながっていると言えますか?

    -スマホやLINEは、子どもたちが持っていることが一般的であり、これらのツールを通じていじめが行われることが増えたため、いじめの増加につながっていると言えます。

  • 教師はどのようにして子どもたちと共にいじめの問題に対処するべきですか?

    -教師はまず子どもたちと共に、いじめの問題を理解し、彼らと一緒に考えることで、適切な指導や解決策を見つけるべきです。

  • 子どもたちはなぜ先生が暴走すると感じるのですか?

    -子どもたちは先生が暴走すると感じる理由として、先生が問題を過剰に拡大し、子供たちの予想外の大きな問題にしてしまうことが挙げられます。

  • 先生が子どもたちの相談に耳を傾けない理由は何ですか?

    -先生が子どもたちの相談に耳を傾けない理由は、子どもたちの話を理解しておらず、問題解決につながらないと思っていることがあります。

  • 教師はどのようにして質の高い傍観者を育てるべきですか?

    -教師は傍観者に対して、保身しながらも問題解決に貢献できるような質の高い傍観者を育てる方法を示し、指導することが重要です。

  • 子どもたちはなぜ先生に相談しないことが多いのですか?

    -子どもたちは先生に相談しない理由として、先生が知らないと感じたり、相談したことで問題が広まることがあるためです。

  • 教師はどのようにして子どもたちと共に文化を築くことができるのですか?

    -教師は子どもたちと共に問題を理解し、彼らの意見を取り入れた上で、新しい文化を築くための指導案や方法を一緒に考えることで、文化を築くことができるでしょう。

Outlines

00:00

📱 スマホ時代のいじめ現象

竹内和雄教授によるネットいじめの未然防止と解決に関する講義。スマホが子どもたちに普及し、いじめの形態が変化していることを指摘。文部科学省の調査に基づき、ネットいじめの増加を示す。スマホがいじめに与える影響は多岐にわたり、いじめのきっかけや手段、方針決定に関与している。ガキ大将タイプからしずかちゃんタイプへの変化、教育的動機いじめの増加、具体的ないじめ事例を紹介し、問題の深刻さを強調している。

05:03

😢 グループでの排他的な行動

花子ちゃんがLINEグループで無視される事例を通じて、グループ内で発生する排他的な行動とその影響について説明。リーダーのA子ちゃんが花子ちゃんを新しいグループから除外し、花子ちゃんが不登校に陥る経緯。子どもたちが親や教師にいじめを相談しない理由として、大人が暴走するとの懸念、過去の失敗体験が挙げられている。

10:06

🤔 傍観者と仲裁者の役割

いじめの傍観者と仲裁者の重要性を強調。森田洋司先生のいじめの4層構造を紹介し、傍観者がいかに仲裁者になるかが問題解決の鍵であると主張。子どもたちの立場と心理的な葛藤、彼らが抱える難しさとバランスの取れた行動の重要性を示唆。

15:09

🔑 未然防止の教育

未然防止の教育方法として、子どもたちが直面する問題に対する対処法を教育することの重要性を提唱。具体的な授業の例として、LINEでの会話の誤解を通じて、子どもたちがどのように適切に対応すべきかを学ぶ方法を提案。子どもたちの答えの多様性と、彼らが直面する状況の複雑さを反映している。

20:13

🌐 ネットとスマホの使い方

ネットやLINEの使用を禁止するのではなく、子どもたちにネットと賢く付き合う方法を教える必要性を語る。子どもたちは日々、ネット上の問題に直面しており、彼らが考える解決策にも触れている。教育者として、新しい文化作りに取り組む覚悟が必要であると結び、地域や学校での取り組みを期待している。

Mindmap

Keywords

💡ネットいじめ

ネットいじめとは、インターネット上で行われる誹謗中傷や嫌なことを書かれる行為を指します。このビデオでは、スマホの普及により子どもたちがネットいじめに晒される機会が増え、それが社会問題となっています。例えば、文部科学省の調査によると、ネットいじめの件数が5年で倍増していると報告されています。

💡スマホ時代

スマホ時代は、スマートフォンが広く普及し、日常生活に欠かせないデバイスとなり、子どもたちの間でもほぼ全員が持つようになった時代を指します。ビデオでは、スマホがいじめの手段として利用されるようになり、それがいじめの形態に大きな変化をもたらしたと説明しています。

💡未然防止

未然防止とは、問題が発生する前にその原因を取り除くことで問題を未然に防ぐことを指します。ビデオでは、教育者として、子どもたちにネットやスマホの使い方を教えることで、いじめを未然に防ぐ方法を模索していると述べています。

💡指導と対応

指導と対応とは、ある問題に対して、適切なアプローチや方法を提供することで、問題解決に向けた支援を行うことを指します。ビデオでは、教育者が子どもたちに適切なネットマナーやコミュニケーションの仕方を指導し、いじめに対する対応策を提供する必要性を強調しています。

💡加害者と被害者

加害者と被害者は、いじめの文脈下で、加害者とはいじめを行う人物を指し、被害者とはそのいじめの対象となった人物です。ビデオでは、いじめの形態が変化し、子どもたちが加害者と被害者の立場を行き来する複雑な状況が生じることについて触れています。

💡傍観者

傍観者は、ある出来事に直接関与していないが、その過程を観察している人物を指します。ビデオでは、傍観者がいかに振る舞うかによっていじめの方向性が変わる可能性があるとされ、彼らの意識改革が重要視されています。

💡LINE

LINEは、日本で広く使われる通信アプリです。ビデオでは、LINEグループでのコミュニケーションが、いじめの手段やその場を提供する場として利用される例として挙げられています。

💡教育的動機いじめ

教育的動機いじめとは、いじめを行う者が、性格が悪いなどと理由をつけて、教育的または改善のための目的でいじめを行うことを指します。ビデオでは、最近増えたこのタイプのいじめが、子どもたちに理解されず、見過ごされることがあると指摘しています。

💡グループ動向

グループ動向とは、グループの中で主流となる意見や行動に従う傾向を指します。ビデオでは、グループ内でリーダーの意見が他のメンバーに影響を与え、いじめのターゲットを決定する過程で重要な役割を果たしていると説明しています。

💡即レス

即レスとは、即時の返信の略で、メッセージが届いた瞬間にすぐに返信することを指します。ビデオでは、子どもたちがLINEで即レスを求められるストレスや、その中で適切な対応を考える必要性について触れています。

Highlights

竹内和雄教授以“ネットいじめの未然防止、及び解決に向けた指導と対応”为主题开始讲座。

智能手机普及导致青少年欺凌行为发生变化,特别是在小学生和中学生中。

文部科学省的数据显示,网络欺凌事件在5年间翻倍,智能手机在其中扮演了重要角色。

智能手机不仅是直接欺凌的工具,也是欺凌行为的诱因和控制手段。

欺凌者类型正在变化,从传统的“ガキ大将”类型转向利用LINE等社交工具的类型。

欺凌行为的动机从快楽天的直接暴力转变为教育的動機,使用更合理化的理由进行欺凌。

欺凌行为的实例分析,如通过LINE群组排斥特定成员,导致受害者遭受心理创伤。

孩子们通常不会向大人或老师报告欺凌事件,因为他们担心会引起更大的问题。

欺凌行为的周期正在缩短,从一年到几个月甚至几周就会更换目标。

孩子们在欺凌事件中既是加害者也是受害者,角色经常互换。

教师在防止和解决欺凌问题上需要采取更有效的措施,而不仅仅是提出口号。

提出了“傍観者”的重要性,他们的态度和行为可以影响欺凌事件的发展。

教师需要培养高质量的旁观者,他们能在保护自己的同时帮助解决欺凌问题。

介绍了实际教学中使用的未然防止欺凌的课程,如通过角色扮演来提高学生的意识。

强调了直接沟通的重要性,而不是仅仅依赖于LINE等社交媒体来解决问题。

指出了教师在理解和应对智能手机和网络欺凌问题上的挑战和责任。

呼吁社会、教育者和孩子们共同创造新的文化,以更智慧地应对智能手机带来的问题。

Transcripts

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みなさん こんにちは 兵庫県立大学の 竹内 和雄(たけうち かずお) です これから ネットいじめの未然防止

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及び 解決に向けた 指導と対応 というテーマで 講義を始めます

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では 今日は大きく3つに分けて お話しをします

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まず スマホ時代到来 ということで

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スマホが 子どもたちに 普及してきて どう変わってきた という大枠を示し

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いじめが それによって どう変わってきたか それから どういう指導

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未然防止が必要か という話にしていきたいな というふうに思います

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で まず スマホ時代 ということで

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最近 高校生は もう ほぼ全員が 持っています

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最近の調査では 中学生の 約8割ぐらいが スマホ持ちだしました

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で 小学校も 高学年になると 過半数が持ちだしまして

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この傾向は どんどん進んでいく と思います より低年齢化が進んでいく というふうに 考えています

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で まぁ そういう現状で いじめがどう変わっていったか について ご説明したいと思います

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で これは 文部科学省の

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問題行動調査ですが 平成 24 年

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ネットいじめ つまり ネット上で 誹謗中傷とか 嫌な事を書かれた件数が

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7855 件 だったのが 5年後 平成 29 年には 倍増しています

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この数字だけでも かなり増えていることが わかるんですけれども 私はこのネット

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特にスマホが いじめに与えるインパクト は このネットいじめ 直接のいじめ だけではなくて

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きっかけとしての

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スマホが大きいと思います で ほぼ

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何らかの形で 今のいじめには スマホがかかわっています

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先ほど言ったように きっかけである とか そのいじめグループを 統制する手段

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それ から どういう風にいじめをするか という方針決定 に関わるまで

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非常に重要な役割をしています その あたりについて 私たちは 知らなければいけない

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そのうちの 具体的な事例を 今から ご説明したいと思います

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まず 1 つ目

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いじめっ子

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が 変わっています

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で 子どもたちに 例を示して どういう いじめっ子が多いか というふうに

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以前から 質問しています

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で 例として 有名なアニメのキャラクターで ガキ大将タイプ

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ずるい子

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優等生タイプ 弱い子

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で 子どもたち ガキ大将 っていうと 「ジャイアンや!」 ズルい子 「スネオや!」

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優等生「出来杉くん!」 弱い子「のび太ー!」 と言うんですよね で 私たちは 当然

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ジャイアン ガキ大将タイプが多い というふうに 予想するんですけれども どんどん

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ガキ大将タイプのいじめっ子が っていう 答える子が 減ってきています

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スネ夫ですか? いやスネ夫みたいなんは いない

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出木杉? それも減ってる

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じゃあ誰だ

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多くの子どもたちが 挙げるのが 私たちが 一番信頼している

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しずかちゃんタイプや っていうんですね LINEを駆使して

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いじめの頂点に立つ って言うんですよね

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子どもたちの多くは 「だって しずかちゃん 女のお友達 おらんやろう」 って いうふうに 言います

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子供たちには ドラえもんは そう見えています

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で じゃあ それに伴って いじめの質も 変わっています

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昔 多かったのが 快楽的動機いじめ あの子に暴力振るったら スッとする

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あの子にいじめたら スカッとする というような形のいじめが 多かったんですけれども 最近は

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いわゆる 教育的動機いじめ あの子が性格が悪いから 懲らしめるために とか あの子に教えてあげる

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もっともらしい理由をつけるので なんとなく 見過ごしてしまうし

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みんなも それがいじめだと 気付かないようなことも あります

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そういうふうに 変わっています ちょっと具体例を挙げてみましょう

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名前以外は ほぼ実話です 私が 直接関わっ た事例です

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クラスの18 人中15人がLINEをしているので

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花子 ちゃんは

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お母さんのスマホを借りて そのLINEグループに 入りました

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そんなある日

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クラスのリーダーの A子ちゃん

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に 遊園地に行った お土産に

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くまのぬいぐるみを もらいます

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花子ちゃんは 非常に嬉しいので

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このことを

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LINEで早速

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お礼を言おうとしました

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すると

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A子ちゃん

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「今日のアニメ面白かった」「塾で見てない これ から見よう」 あ A子ちゃんいるわ お礼を言おう ということで

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ぬいぐるみの写真を ぼんっ って貼って このぬいぐるみ むっちゃ 可愛い すごいかわいい このぬいぐるみ可愛くない?っていう

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ふう にのっけました

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で 既読 15

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つまり 16 人 中 15 人 全員読んでいるのに この後 だれからも 返事が来ない

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次の日 学校に行ったら かわいそうに 花子 ちゃん 全員から無視されてしまいます

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かわいそうな花子ちゃん その まま不登校になってしまいました 一体花子に 何が起こったんでしょうか

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そうですね この子の 「ぬいぐるみ 可愛くない」 この この言葉です

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で これは 花子ちゃんは 「このぬいぐるみ 可愛くない?」っていうふうに 疑問文の形で 聞いたはずが

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初心者の花子は クエスチョンマークをつけ忘れるんですよね そうすると

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A子ちゃんは クラスのリーダー A子ちゃん は

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ぬいぐるみ可愛くない 自分がせっかくあげた ぬいぐるみを 否定された っていうふうに思っ て

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A子ちゃんは 花子に もう 激怒するわけですね

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その時 クラスのリーダー A子は どうするか

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この後 A子ちゃん どうしたか

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まあ いろいろ聞くと 先生方の研修等で聞くと 先生方はこう言います

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LINEには 退会機能があるから A子はきっと 花子を退会させたんだ という風に 言うん

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ですが 子供たちに聞くと そんなことは絶対しない と言います

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こんなリスキーなことは 子どもしませ ん

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A子が花子を退会させる これ は

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A子が 自分で 花子をいじめてる っていうふうに 宣言してるみたいなもので

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こんなリスキーなことは 子どもたちは しません その代わり どうするか

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花子以外の 15 人の 新しいグループをつくって

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最近 花子調子乗ってる

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そうそう ほんまそれ これで

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花子に対するいじめが 確定します

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こういう

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状況とか こういう緊張感の中で 子供たちは

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日々 生活しています

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で 6人ぐらいの グループの中で いじめが 起きることが 多いです

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A子が 花子に ターゲットを決めました するとみんなが どんどんそれに賛同していきます

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昔は この後 次のターゲットに移るのに

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1 年から 2 年 ずっといじめられたんですけれども

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次の子に行くのが 最近 非常に早くなっています

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2 ヶ月

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短ければ 1 か月 2 週間 もっというと 1 週間ぐらいで 変えることが多いです

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で この時に

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E子は

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絶対に

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親や教師に言わずに ひたすら耐えます

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絶対に親や教師に言わない と言います

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なぜ なんで っと聞くと

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「大人は暴走する」 ってですね この暴走 この辺が 今日の一つのキーワードで

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「どういうこと?」 って具体的に聞くと

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「お母さんに言ったら お母さんが 相手の家に怒鳴り込むんや」 とか

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先生に言うたら 先生が終わりの会とか 学年集会とかして 大ごとになってしまって

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かえって 自分に

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いじめが固着してしまって 大変なことになってしまう 1 週間我慢すれば次に行くのに

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親や先生に言うと かえって失敗した っていうようなことを

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そういう 悲しい経験をして 彼らは 小学校から中学校に 上がる場合が多いです

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ですから 彼らの 共通な

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感覚として 親や教師に言うとダメだ という可哀想なと いうか 悲しい

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現状が 今あります

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で しばらくすると 確かに Fに行きます B に行きます C に行きます また帰ってきます

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こういう

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繰り返しの中で このグループ 最後は ずっと繰り返しますが 最終的にどうなるか ご想像ください

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一番多いのは

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しんぼうたまらんようになって

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この 5 人が結託して A子を

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いじめにかかるんですね この時は強烈です

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で A子はもう学校 来れなくなってしまう というかね その時に初めて 教師が知るんですね

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最初の 細かい 何度もいじめられるところは 知らなくて この現状で 教師が初めて知ってしまう

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もうこの この時は 非常に強烈ないじめです

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で そうならないように 首謀者の A子が 次々ターゲットを変えていきます

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自分に矛先が向かないように 常に一緒にいて トイレも一緒に行くような事が 多いです

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さらに 密談させないように 常に自分がいます

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でも最近は 密談が簡単なので

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こういう相談もできます 花子以外の5 人で 相談します

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「A子のこと どう思う ?」 もうしんぼうたまらんようになって B子ちゃんが 言うんですね 「どうって?」

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ここで うかつなことを 言ってしまうと

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その状況をスクショされて つまり スマホの画面を写真にとって A子に送られてしまうんですね

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そうなると 今度は B子がやられてしまう

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周りの子も 非常に混乱するんですね どうしようか

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こんな感じですよね

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で まぁ ここでうやむやになったりして まあ どんどんあるんです あるときB子が

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踏み込みます 「最近 やりすぎと思わない?」 これ勝負ですよね

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ここで 「みんな言ってる」

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「やりすぎだよね」 これで A子に対して 反逆することが

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確定します こういう緊張感の中で 彼らは毎日

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スマホと 向き合っています

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即レスを 1  来たら 1 分で返すっていう子も 多いんですよね

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で 私たち大人は それでもう そんな 1 分で返さんでもいいやろ

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ほっといたら嫌でも それをほっとけないような こういう事情が あるわけですよね

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だから 彼らは 一生懸命 LINEします 彼らは

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楽しい 楽しくやってるわけやなくて 一生懸命 LINEしている という子も 中には多いです

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そのへんのことを 私たちが 理解しておかないと

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彼らは 私たちを 相談相手として 選んでくれないです

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加害者であり 被害者であり 被害者であり 加害者であります

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その辺が ないまぜになって 今 非常に難しい状況です

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ですから 教師が

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イジメ ダメ ゼッタイ っていうふうに スローガンかかげるだけでは 事態が好転しません

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もし自分が止めたら もし止めたら 自分に来るんじゃないか

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そういうことを 彼らが 常に考える

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もっと言うと

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止めなさいと 教師に言われて 止めた子が 被害者になった時に 私たちは 責任が取れない

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じゃあ どうしたらいいのか 私たちも これは非常に難しいところだと思います

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森田洋司(もりたようじ) 先生の 有名な いじめの4 層構造 があります

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被害者の前に 加害者が これは非常に画期的な

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私たちのいじめ観を 変えてくれたものですけれども

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その周りに 観衆ですよね

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いじめを 生やしたてる子がいてて

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一番外側に 傍観者がいる この傍観者が 実は非常に重要で この傍観者が

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そのいじめに対して どう見るかによって 変わってくるっていうんですよね

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その一部が 仲裁者になり この仲裁者が

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いかに育てていくか というのが 私たち教師がすべきことだ という風に 私も長く

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訴えていますけれども 特にこの

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LINE等のいじめについては ここが非常に大きいと思います

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で 鍵はこの傍観者ですよね この傍観者を どう育てるか

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質の高い傍観者に いかにしていくか このあたりが重要です

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傍観者

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保身しつつ解決できる 自分も守るし Aくんにも 恥かかさないし だからこう

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もう解決できるというかね そのあたりを

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考えられるような そういう質の高い傍観者を 育てていく必要があります

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かけ声だけでは もう無理です

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で そのあたりのことを 私たちは

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理解した上で 対応しなければいけないと 思います

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実は 大人が思っているよりも

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仲裁者になるっていうのは 非常に難しいです 非常にバランスの難しい中 彼らは生きています

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いじめの指導があって 傍観者の立場にいた人たちに 私も一度 関わったことがあります

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彼らの多くが こう言います 私も必死だった

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先生わかってない

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つまり 彼らもう ものすごいバランスの中 で どうしよう

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自分がいじめられたくない

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でも いじめられている子は かわいそうだ そういう ものすごい難しい中で 彼らは

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日々 生活しています そういう子も いています

play13:33

だから その緊張感を 私たち大人が 理解した上で

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どうしていったらいいのか そのあたりを 考えていく必要があるな というふうに 思っています

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このあたりが 私たちが一番 取り組まなければいけないことだ というふうに思います

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いじめがダメだっていうのは 子どもたちは 実はよくわかっています

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で 私たちが 長年している いじめの指導 子どもたちはよく聞いています

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ダメだ いじめはダメだ けれども 自分も虐められたくない とみんないいます

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どうしたらいいの って言います

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そのための 未然防止の手段を いくつか ご紹介しましょう

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私が実際に 小学校 中学校 高校で行なっている

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未然防止の授業の一つを ご紹介します

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例えば 先ほどの この画面 このサイトがありましたね この 可愛くない をきっかけに

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いじめられた 花子の事例です

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で ここでもし あなたがB子ちゃんなら

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あなたは ここに 何と書いてあげますか という風に 問いかけます

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子どもたちは もう非常に盛り上がります ああ書いたらいいって いやそれやったらこうやで… ものすごい盛り上がります

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まあ 6 人 ぐらいのグループで 話し合わすと もう いろんな答えがでてきますね

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よく出てくるのが

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クエスチョンマーク つけわすれてるよ 小学生なんか こういう答えが多いですよね

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私は可愛いと思うけどな

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中学生なんか こんな いいですよね それとなく 気付かしてあげるって 言うんですね

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これ読むと 花子が

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え 私もかわいいと言ってるんよっ

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可愛くない って言ってるかと思った という そういう会話を想定した 非常に高度な 答えなんですよね

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この前 ある中学生は こういいましたね どっち?

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可愛くないと言ってるの? かわいいと言ってる の? を聞く んですよね こういうところを 日々

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彼らは 経験してるんですよね

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このあたりはもう 非常に彼らは

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面白がるっておかしいですけれども こう いう授業が必要だった というのを 彼らは 多くがいいます

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最近少し いろんなとこで授業してるんですけれども 最近状況が変わってきました

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高校生なんかは これ見ると どっちもダメだし

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これもダメ これもダメ って言うんですね えっ どうしたらいいの こんな絶対あかんよ

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なぜかというと

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LINEで トラブった時に LINEで解決しようと思ったら 余計ごちゃごちゃになるから そんなんダメ だ

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そういうときは 直接会って 話さなければだめだよ というふうに 子供たちがいいます

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なるほどなあ っていうふうに 思いました ね それから最近は LINEのグループ通話で

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みんなで それこれどういうことーって いう風に みんなでしゃべる

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まぁ でもやっぱり 直接会うのが一番いい というふうに 子供たちに教えられました

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で 今見てきたように 分かるように 一番重要なのは未然防止です

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で 子どもたちが いじめている場面

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昔は まあ ジャイアン役的な子が のび太的役な子をたたいてる

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先生がでてきて こらやめなさい これが いじめの指導でした

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いじめダメ 絶対 もう絶対だめです 簡単でした しかし今 いじめが 起こっている場面もう

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私たちが 目にすることが できません

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子どもたちだけの中で いじめが 起こっています

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そこで 私たちがいないときに 彼らが どうできるかっていうのを

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彼らと一緒に 考えなきゃいけない という かね

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質の高い傍観者 傍観者なのか 仲裁者なのか よくわかりません

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ただ単に 仲裁者をつくればいいわけじゃないです やめろっていう掛け声を

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いうだけでは これはダメなんです

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質の高い

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仲裁者になるのか 傍観者になるのか

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それを 私たちが育成していく というのが 非常に重要な場面です

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で 子どもたちは ここで自分が どういったらいい

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もしかしたら 先生に言ったらいいんじゃないか 残念ながら

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先生が選ばれないことが 多いです

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どうして 先生選ばないの

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先生は暴走する とかね もっと多いのが 先生知らんもん

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まあ 知らない先生に 何を言っても

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解決にならない と言うんですよね だから私たちは まず子どもたちと

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何が起こってて どんな状況にあるかって いうのを 私たちはまず 知らなきゃ いけない

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特に 最近多いのが

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若い先生に 聞いたらいいんじゃない 先生知らへんけど 若い先生みんなスマホだろう って言ったら

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若い先生が一番怖いのっていうのが 最近 多いですよね

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若い先生に相談したら もう 次の日 学校中 みんなの先生に 知れ渡ってたっていうんですよね

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先生問い詰めたら イヤ 私たちは チーム学校といってね

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みんなで解決するの っていう風に 言われたって いうんですけれども

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これ実話なんですけれども チーム学校 これは非常に重要なことで

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一人で抱え込んだらダメだ それも非常に重要です ただ

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子供から聞いた事を そのまま すべての先生に言う で それがしかも また子供の耳に伝わる

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こういうことでは ないはずです

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そのあたり私たちは まあ その子供に聞い て それをどうするのか 子供と一緒に考えて

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そのあたりが 私たちも この解決に向けて

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突きつけられている 問題ではないかな というふうに思います

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まず 私たちは 今日のようなこと 現状を知る 必要があります

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で ネットは罪悪だ というふうに もう ネット絶対使うな とか

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LINEをするな とかっていうのでは もうダメでしょう

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ほぼ 全員が 私たちが知らないところで 始めます もしも ダメだ と言っても 勝手にします

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とはいえ ネットは素晴らしいから どんどん使いなさい これも無責任で ネットの中には いろんなトラブルも多いです

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ですから 私たちは 子どもたちに

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ネットと賢く付き合う というかね このあたりが 私たちのポイントですね この辺り

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これは非常に重要で これは非常にいいけれども このあたりがポイントだよ っていうのが

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子どもたちに 私たちが 提示できなければ いけないというかね

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そのあたりが 非常に重要だと 思います

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確かにネットは罪悪で LINE があるから トラブルが多い 確かにそうです

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しかし そうとばかりも言ってられないような 現状があります そのために どうしていったらいいのか

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で 実は 子どもたちは 日々巻き込まれているし 子供たちは 実は日々

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考えています ですから 子どもたちと一緒に考えていく

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私たちの社会には まだ正解がありません 私 全国各地で スマホサミット 子どもたちと一緒に

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これからどうしていこうかって 話し合う機会を いろんなところで持っている 年間 50 回くらいですかね

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みんな 言います

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大人も一緒に考えてほしい 私たちだけでは無理だ だけど大人に相談したら

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どんどん 自分たちが 思ってないことに なってしまう

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だから 子供たちと一緒に考えるような社会

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新しい文化づくりが 必要なんじゃないかな というふうに 思います

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で 私たちは 今 教員として 教育関係者として 子供たちに 向き合っています

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自転車の場合は

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コマ付き

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3 輪 車

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お父さん 挟んでおいてやっ

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って こういうのが 確立しています ですから 自転車のようなもの

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非常に危険ですけれども ほぼ 大きなトラブルは ありません

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しかし このような状況が

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スマホには まだ ありません

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自転車は 自転車教授法という文化が なん となく 北海道から沖縄にあります

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スマホにはまだ ないんですね

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だから このスマホ問題は これから どうし ていったらいいのか 誰も知らない状況の中で

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私たちが 教師も 非常に 重要な役割を 持っていると思います

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今日は皆さんに 一つ 新しい授業の提案を しました 子どもたちと一緒に考えるために

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スマホで 起こっているような事態を

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提示して じゃあこの時に どうしたらいいかっていうのを 一緒に考えていく 一緒に考えるんです

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そこで 教師が それは ダメだろう という と子どもたち 白けるんですよね

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教師は ともすれば

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自分が知ってる事を 子供に教えてしまうので 子ども達にとったら

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知らない先生が 何言うてんの となるんですよね

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ですから 私たちは まず 子どもたちと 一緒 に

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どういう問題が 起こっているか

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知った上で 考えていかないといけないな というふうに 思っています

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大げさに言うと 文化づくりのために 私たち教師が 何をできるか

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ぐらいの 心構えが もったらいいと 思います でも そのために 私たちはまだ そのため のノウハウもないし

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文化 そのための 指導案もないです

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これから 一緒に 作っていきたいな という ふうに思います 今日 私なりに

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皆さんに 今 私が思っている スマホの問題 特に ネットにフォーカスした話を しました

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これから いろんなところで 各地で 子ども たちと一緒に いろんな文化作りをしていきますけれども

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一緒に 考えていきたいな というふうに 思います

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この後 みなさんの地域で

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皆さんの学校で 何が出来るか ぜひ 一生懸命考えていただきたいな というふうに 思います

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これで 私の講義を終わらせていただきたいと思います はい では どうもありがとうございました

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